「栗歩」のモンブランは、栗好きのために作られたモンブラン
店舗紹介
栗歩は自由が丘の南口から1分の雑居ビルの2階に佇んでいます。南口は商店街になっているため、周囲に店舗が沢山あるため、栗歩を見落としてしまいそうになります。店内は非常に清潔で、おしゃれな空間になっており、カップルでも、夫婦でも、友達同士でも楽しめると思います。私は一人単独で乗り込みましたが、ほとんどのお客さんは2人組で来てました。
来店時の注意
- 人気店であるため、予約が必須です。ちょくちょく予約なしの客も入ってきますが、満席でほとんど入れません。
- 当日訪問でも、空きがある時間帯で予約することも可能です。
- 座席が2名用になっているので、3名の場合は、席が離れてしまいます。
熟成無糖モンブラン:紐状ペースト型
- 高級栗、「能登栗」を収穫後に45日間も熟成させ、"無糖"と謳っているにも関わらず糖度30度というマロンペーストをメレンゲの上にふんだんに重ねて作り上げます
- 無糖であるため、栗の本来の甘さと、栗の純粋な美味しさを十二分に味わうことをができます
- 甘くないため甘党向きではなく、「栗が大好き!」な人が、栗の上品な味を堪能するために作られているモンブランです
モンブランの構造
①能登栗
一番上に乗っているのは、高級能登栗。甘くないため、栗の味を純粋に楽しんでください。
②マロンペースト
全体を覆っている主役のマロンペーストは、ふわふわしていて、口の中に入れるとすぐに溶けていきます。個人的には食感には感動を覚えました。砂糖不使用にも関わらず、ほんのり甘く仕上がっています。熟成した栗から作られているため、栗のうまみが凝縮され、栗の風味を強く感じるペーストです。
③チョコチップ
写真では分かりにくいですが、チョコチップが生クリームの上に散らされています。味のアクセントになっています。
④生クリーム
口に入れた感触だけで判断すると、濃厚で脂肪分多めの生クリーム(45%前後?)を使用している印象。
⑤メレンゲ
他のパーツと比べて甘く作られていますが、スーパー・コンビニで売られているようなお菓子ほど甘くはないです。
⑥キャラメル
メレンゲの中に溶けて固まったキャラメルが入っています。そのため、メレンゲ全体がキャラメル風味になっているため、モンブランペーストと一緒に口に入れたときに、味の組み合わが絶品です。
⑦モンブランクリーム
メレンゲの下にわずかながらモンブランクリームが存在しています。ここは砂糖が入っていて甘くなっていますが、キャラメルの味のほうが強いため、モンブランクリームの味はあまり感じません。
⑧スポンジ
ふわふわ系のスポンジです。しっとり系ではないです。
熟成無糖モンブランの特徴
・このモンブランの最大の特徴はとにかくマロンペーストです。砂糖を利用していないにも関わらずほんのり甘く、今までに食べたことの無いふわふわの食感で、栗の味が口の中に広がっていきます。
・余計な味はせず、栗の味を堪能できる一方で、薄味という印象を受ける方がいるかもしれません。熟成した栗から作られるペースであるため、上品で繊細な味がします。
・また、モンブランペーストの味に合わせて他の要素の甘さを調整していると思われ、全体的に甘さが控えめのモンブランになっています。
・メレンゲの中にキャラメルが入っており、薄味のモンブランペーストにアクセントとしてキャラメルを組み合わせると、飽きずに食べ続けることができます
・ンブランペースト+キャラメルの組み合わせは他店ではあまり見ない組み合わせなので、非常に新鮮です
総評
マロンペーストは上品で美味、栗好きのために作られたモンブラン、でも他素材との組み合わせが難しい
とにかく栗にこだわって作られてたモンブランペーストは極上。作り手の栗に対するこだわりがケーキを通して伝わってきます。高級栗を使っているだけあって、値段も2000円台に設定されています。一般のケーキと比べたら高めの値段設定にも関わらずお店が常に満席になっているのは、栗の美味しさと、お店側の栗に対する哲学にお客さんが共感してくれるからなのでと思います。
モンブランペーストが特殊しすぎて、他素材との組み合わせが上手くいかない。もう少し具体的にいうと、食べる直前にモンブランペーストをメレンゲや生クリームの上でにふわっと乗せてくれるのですが、ペーストがふわふわ過ぎて食べている途中でモンブランペーストが崩れてきます。素直に食べにくいです。
ペーストとキャラメルの組み合わせは美味しいのですが、生クリームと一緒に食べると栗の味がしなくなったり、下の方にあるマロンクリームがほとんど存在感が無かったり、ペースト以外の要素がうまく組み合わさっていない印象を受けます。
ペースト部分はこだわって作られているので、栗好きの人にとっては最高のケーキで、ケーキ好きにとっては「あれ?期待したものと違う?」と理解できない難しいケーキだと思います。
レビュー項目の詳細
※レビュー項目に沿って評価ポイントを記載していますが、どんなモンブランを「美味しい」と感じるか、個人の好みです。必ずしも「ポイントが高い」=「美味しいモンブラン」を証明するものではありませんし、逆に、「ポイントが低い」=「評価が低い」というわけではありません。
区分 | 項目 | ポイント | レビュー内容 |
味 | 甘み | 2 | 無糖モンブランなので、モンブランペーストは甘くなく、他のメレンゲやモンブランクリーム部分も甘さは、かなり控えめ。甘いケーキを食べたい人向けではない。 |
栗の味・風味 | 5 | 純粋な栗の味を楽しむことができます。モンブランペーストの上に、栗をスライスして乗せてくれるので、モンブランペーストと栗を一緒に食べるという、とにかく栗を楽しめるケーキ。 | |
味のメリハリ | 3 |
ケーキ全体で味のメリハリはそれほどありません。繊細な味のモンブランペーストを主軸としてケーキとなっており、酸味の強いカシスや甘いクリームなど、強い味のする具材を利用できないという事情があると考えられる。 |
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素材の組み合わせ | 4 | モンブランペーストをメレンゲ、スポンジ、キャラメル、生クリームなど、他のパーツと組み合わせながら楽しむことができます。特にキャラメルとの相性は非常の良いと思われる。 | |
個別素材の味 | 4 |
各パーツで食べた場合、抜群にモンブランペーストの良さが光ります。一方でモンブランペースト以外は、土台となっているスポンジ部分、中央のメレンゲ、上部の生クリームには際立った特色はないため、モンブランペーストが極上の仕上がりだけに、他パーツとのレベルの違いが気になってしまう。 |
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飲み物との相性 | 4 |
ほうじ茶、緑茶、コーヒーから飲み物を選ぶことができます。私はほうじ茶をチョイス。しかも加賀棒茶を出してくれます。モンブラン全体で甘みや味が強くないので、ほうじ茶を選択して正解だったと考えます。 ※通常の煎茶などに使われる茶葉ではなく、茎の部分を選別し焙じて作るのが加賀棒茶 |
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後味の強さ | 2 | モンブランペーストは口の中に入れると、「すっと」溶けていき、ほとんど後味は残りません。唯一、メレンゲの中に入っているキャラメル部分が味がしっかりしているため、後味としてのこりますが、それ以外は栗のほんのり僅かな余韻を楽しむ幹事です。 | |
食感 | 口当たり | 5 | これまで食べたことのない「ふわふわ感」のマロンペーストに仕上がっています。通常のマロンペーストのような粘り気、硬さはないです。 |
香り | 風味 | 4 | スーパーなどで売られているモンブランケーキのような人工的な風味はなく、本物の栗の風味が口に広がります。風味自体は強いわけではないですが、自然の栗を食べているような錯覚に陥ります。実際に栗をスライスしてモンブランに乗せてくれるので、栗を存分に堪能できます。 |
見た目 | 見た目の印象 | 4 | 眼の前でモンブランペーストを絞ってくれる光景はあまりみれないので、記憶に残るモンブランになります。 |
お店の雰囲気 | 店舗・従業員雰囲気 | 3 | 従業員の方は、皆さん丁寧で親切。店舗の雰囲気もおしゃれなので、デートや夫婦で楽しめる空間です。 |
コスト/パフォーマンス | ボリューム | 3 | 普通の大きさ。モンブランペーストが多めなので、若干大きい印象を受けるかもしれない。 |
お値打ち感 | 2 | レビューが難しい。栗が好きという人にとっては、価格通りの価値があると思いますが、モンブラン「ケーキ」が好きな人にとっては、2,000円の価格設定は受け入れられないと思います。 | |
哲学 | パティシエの哲学や店のこだわり | 5 | 熟成栗の良さを知って、美味しく食べてほしいという願いが込められているような気がします。手間をかけて熟成栗を使用しており、栗のコンセプトに共感してくれる人に来てほしいという考えて伝わってきます。 |