特別な時に食べよう、モンブランクレメ
店舗紹介
今回は、東京都内でも有名なパティスリー、代々木上原のアステリスク。代々木上原の駅から徒歩4、5分の井の頭通り沿いにお店があります。
パティシエは、調布にあったサロン・ド・テ・スリジェでシェフと務めていた和泉光一氏。長年培った確かな技術が多くのファンを呼び寄せるのでしょう。
ケーキの種類は非常に多く、見たこと無いようなオリジナリティあるケーキが店内のケースにずらっと並んでいます。ショーケースを見るだけでもシェフの創造性や感性が垣間見れます。
お店の雰囲気
売り場のすぐ後ろでは、5,6名のパティシエがきびきびとケーキを作っています。騒がしくなく、それでいて素早く、仕事に集中してケーキを作る職人の臨場感を味わうだけでも、「ケーキを作ってくれてありがとう」、と感謝の気持ちが湧いてきます。食べるのはもちろんモンブラン一択。販売員は2名体制でお客さんにスムーズに対応してくれます。
訪問時の注意点
今回訪問したときは、待ち時間はありませんでしたが、お客さんが10〜15名待ちの時もあるので、時間にゆとりを持って来店することをお勧めします。
注文したモンブラン
総評:モンブランクレメ
1.特別な時に、ゆっくり味わって食べたいケーキ
今回食べたのは、「モンブランクレメ」。
モンブランペーストを口にした時の後味がとても特徴的で、毎回口に含んだ余韻を楽しむことができます。
ペーストの粘性がしっかりしているため、口に入れた後もすぐに溶けずに数秒の間を置いてから栗の風味がじわじわ広がります。
生クリームとマロンペーストを一緒に食べても生クリームが先に口から消えた後、時差を置いて栗の味が飛び出てきます。おそらくマロンペースに多めに生クリームを使用していると思われ、味わいは濃厚です。モンブラン”クリーム”ですね。生クリームもただ砂糖を加えた甘さではなく、クリームチーズを入れているため、僅かに味の深みが出ています。
味や甘さはそれほど強いわけではないため、誰かと喋りながらだったり、TV・スマホを見ながら食べると、時差を置いて飛び出る栗の余韻に気づかない可能性があります。もったいないので、きちんと「モンブランを食べるのだ!」と意識を集中できる時やお祝いごとのような特別な時に食べることを強くお勧めします。
2.濃いめの味が好きな甘党の人には合わないかも
上で説明したように、味も甘さもそれほど強いわけではないので、甘党の人からしたら、「ちょっと物足りない」と感じるかもしれません。甘党のため、というか、一般の人が、美味しく、楽しめるようなモンブランです。
モンブランクレメの特徴
1.モンブランの栗風味が時間差で広がる
モンブランペーストを食べると、「あれ?味がしない・・?」となり戸惑いますが、数秒の「間」を置いてから栗の味が広がります。ペーストが硬めのため、溶けるのに数秒かかり、味がするまでに時差があります。時差型モンブラン。
時間差で出てくる味を楽しんでください。
2.モンブランペーストと生クリームの組み合わせで栗の風味を際立たせてくれる
・モンブランペースト自体にも生クリームが多く使われていると思われ、濃厚な味がします。そのため、生クリームと一緒に食べると上手く味が混ざってくれます。一緒に食べると、生クリームの濃厚な味が先に前面に出てきて、さらに時差を置いて栗の風味が広がるので、より栗の風味が目立つようになっています。
3.メレンゲは口直し
モンブランの土台になっているメレンゲはキャラメルとナッツが含まれていて、モンブランペーストよりも味が強め。ちょっと苦味を感じるかも?
そのため、一緒に食べるとモンブランの味を壊してしまいます。ナッツとキャラメルが美味しく、甘さもあるため単品で食べるために作られているように思えます。最後の口直しで食べることをお勧めします。
モンブランの構造
1. キャラメルナッツ
- 一番上にはキャラメル風味のナッツがわずかにまぶしてあります。
- 食べた時にごく僅かにナッツとキャラメルの香りを感じることができます。
2.モンブランクリーム
- 愛媛県産の栗を使用。栗の選定作業は機械ではなく手作業で丁寧に行われる。シェフの和泉氏自ら産地訪問して選んでいるそうです。
- 粘性強めのクリーム。一口含んだ瞬間はあまり味を感じないので、一瞬戸惑います。時差があってジワジワとペーストが溶けて栗の風味が広がっていきます。
- 栗の風味は強くないですが、ペーストの中に生クリームを多めに入れているためか、濃厚な味わいに仕上がっています。
3.生クリーム
- 生クリームはやや甘さを感じる程度。モンブランペーストとのバランスが取れる甘さになっています。
- クリームチーズを入れて泡立てているため、単純に砂糖を入れた時の甘さと少し違う味がします。
4.マロングラッセ
- 生クリームの中にあるマロングラッセも少し甘い程度に味を抑えています。
5.メレンゲ
- ボトム部分のメレンゲ全体がキャラメルの味がして、アーモンドが中に散らしてあります。
- キャラメルの味が強いため、上部のモンブランや生クリームと一緒に食べるとメレンゲの味が勝りまます。食べるとしたら、最後の口直しで食べた方が良さそう。
レビュー項目詳細
区分 | 項目 | ポイント | レビュー内容 |
味 | 甘み | 4 | モンブラン全体的に甘く作られている。モンブランペーストはもちろん、メレンゲ部分も甘い。 |
栗の味・風味 | 3 | モンブランに乗っている栗は大きいが、栗の風味はそれほど強くない。モンブランペーストも栗の風味は抑え気味で、クリームの味が強い。 | |
味のメリハリ | 4.5 | 味のメリハリが大きい。 このモンブランの特徴のひとつ。クリームの甘さ、チョコの甘苦さ、イチゴの酸味、栗の風味等、それぞれ異なる味を楽しむことができる。 | |
素材の組み合わせ | 2 | 要素同士の味の組み合わせは難しい。チョコ、イチゴ、モンブランペーストがそれぞれ独立している。 イチゴとチョコの組み合わせは美味しいかもしれませんが、モンブランとしては評価対象外。 | |
個別素材の味 | 3 | それぞの要素はしっかり作られていて美味しい。 | |
飲み物との相性 | 3 | 酸味もあるので、コーヒーだけでなく紅茶と一緒に飲んでもよいかも。 全体的に甘いので、強めのコーヒーが合いそう。 | |
後味の強さ | 3.5 | チョコレート部分は味が口に残りやすい。 モンブランペーストや生クリーム部分はそれほど残らない。 | |
食感 | 口当たり | 3 | モンブランペーストと生クリーム部分は食感は滑らか。マロンペーストも生クリーム成分が多めかもしれない。 チョコレート、メレンゲは普通の食感。 |
香り | 風味の強さ | 3 | 栗風味少ない。全体的に各要素の味は強めだが、香りは他のモンブランと比べて強いわけではない。 |
見た目 | 見た目の印象 | 4 | 渦巻き型のモンブランが特徴的。さらにラウンジで食べればお皿や盛り付けも上品にしてくれる。 |
お店の雰囲気 | 店舗・従業員雰囲気 | 4.5 | ラウンジは上品な雰囲気。客層は40~50歳代なので、客層もそれなりに落ち着いている人が多い。 従業員のからも堅苦しさは感じず、丁寧に応対してくれる。 |
コスト/パフォーマンス | ボリューム | 3 | ボリュームは他のモンブランと同水準。 |
お値打ち感 | 3 | ホテル内のパティスリーで購入するとモンブラン単品で540円。 ラウンジだとケーキセット2,000円。 値段相応と考えられる。 | |
哲学 | パティシエの哲学や店のこだわり | ー | ※パティシエ様の情報を探すことができなかったため、評価対象外。 パティシエ様に感謝申し上げます。美味しいモンブランをありがとうございました。 |