”スーパー”なのは、サイズだけじゃない。味と素材に対するシェフのこだわりが強すぎて、モンブランがゲシュタルト崩壊
店舗紹介
超特大サイズの代表としてモンブラン界隈で有名なホテルニューオータニのスーパーモンブラン。ホテル内のレストラン・バーであるSATSUKIで食べることもできるし、パティスリーで注文してテイクアウトすることも可能です。
SATSUKI店内はとても落ち着いていて、シックな雰囲気。ホテルの歴史が伝わってきますが、一方で現代的な印象もある不思議な空間です。
今回食べたモンブラン - スーパーモンブラン2021
※記事は2022年5月になってしまいましたが、スーパーモンブランをモンブランを食べたのは、2021年11月。
総評
1.スイーツ以上、もはや、”エンターテインメント”
見た目の強力なインパクト、食べた後の充実感、特別感、ホテルのシックな空間等、贅沢な素材を使うパティシエの哲学、
味以外で価値を感じることが多いです。
SATSUKI店内に入りお店の雰囲気で心地よさを感じ、モンブランがテーブルにサーブされて驚き、贅沢な素材で作られた味に感動し、
食べた後に満足感があり、味そのものではなく、モンブランを食べるという体験全体を楽しむことができます。
これは、エンターテインメントといっても過言ではないでしょう。
映画を見る、ディズ○ーランドに行くのと同じとうに、モンブランを”楽しみ”に行くという感覚で体験できます。
2.モンブランが、ゲシュタルト崩壊しそう
巨大なモンブラン、和菓子のように変化する味を前に、「このモンブランは一体なんだろう、、、素材は、味は、香りは、、、」と
食べながら考えていくと段々と眼の前のモンブランが別のものに見えてきます。
モンブランに入っている情報量が多すぎて、頭が追いつかなくなってモンブラン全体を認識、理解できなくなります。
モンブランペーストや黒蜜あんこ等、モンブランを構成する一つひとつの要素に意識がいってしまい、モンブラン全体を把握できなくなります。
これは、完全にゲシュタルト崩壊です。スイーツでゲシュタルト崩壊する経験をさせてくれた、初めての経験です。
スイーツ好きの方は一度食べてほしいです。スイーツを見ながら、ゲシュタルト崩壊を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ゲシュタルト崩壊の説明はこちら:ゲシュタルト崩壊とは?
特徴
1.超濃厚な栗の味のするマロンペースト
利平栗、銀寄、人丸等、栗の良いところだけを選び抜いて作られたマロンペースト。
他のモンブランとは比較にならないほど、超濃厚なモンブランペースト。
複数品種を混ぜ合わせて独特の風味を出すモンブランもありまして、
スーパーモンブランは、贅沢にも3種類の栗を使用しています。
2.和菓子風のバリエーション
濃厚なマロンペースト以外の要素は、抹茶クリーム、甘露煮、黒蜜葛、黒蜜あんこがあり、多くが和菓子の素材でできています。
超濃厚なマロンペーストと多彩な和菓子の味の変化を絡めて味わうことができます。
食べ進めながら、ケーキの中からいろんな味が飛び出てくることに驚きを感じながら食べることができます。
3.食いごたえ
サイズは、とにかく大きいです。普通のモンブランの4~5倍ぐらいありそうです。
男性なら1人で食べ切れるかもしれませんが、女性の場合は2人で1つでちょうどいいかもしれません。
満腹感は、ほぼ食事一食分に相当します。
もし丸まる一つを食べたいのであれば、しっかりお腹をすかせてからにしましょう。
構造
1.マロンペースト
他のモンブランとは比べ物にならないほど、超濃厚なペースト。
さらに、高級栗を複数混ぜ合わせて作られているため、複雑な味わいになっている。
2. 抹茶クリーム
マロンペーストに負けないくらいの濃いクリーム。マロンペーストと一緒に食べても、ほんのり抹茶の香りがして、
組み合わせを楽しめます。
3.和栗の甘露煮
甘露煮もかなり甘めに作られています。
4.豆乳黒蜜葛
単体で食べるともちろん甘いのですが、他の素材の味が強いため、組み合わせて食べると、味が消えてしまうのが、若干残念。
葛が入っていることでさっぱりとした食感は楽しめるものの、ペーストが濃厚すぎるために、存在が隠れてしまう。
5.黒蜜あんこ
やはり、あんこ+マロンペーストの組み合わせは全品です。あんこの甘さがマロンペーストの味とバランスが取れています。
そこに黒蜜の香りも加わるので、コクのある味になります。
6.豆乳ホワイトガナッシュ
ホワイトガナッシュが入っているのですが、申し訳ありませんが、ほとんど味は感じなかったです。
7.豆乳入りバスク生地
バスク生地は乳成分を感じます。バターも多めでしょうか、味がしっかりついていています。
ちょっとしょっぱいと感じるのは、バスク生地の表面に塩が振られているためです。
レビュー詳細
レビュー項目 | 得点 | レビュー結果 |
---|---|---|
甘み | 3.5 | 全体的にしっかり甘く作られている。部分的に見るとモンブランの中の抹茶クリームや小豆などは比較的甘くない。モンブランペーストの味が強いので相対的に甘さを感じない。 |
栗の味の強さ | 5 | 超濃厚な栗の味。ここまで味の濃いペーストはまだ出会っていない。3種類の栗を混ぜて作られているので味も独特。 |
味のメリハリ | 3.5 | 使われている素材の種類も多く味のバリエーションがある。全体的に甘い素材が使われているため、味の変化はあるが、甘さ+酸っぱさのような異なる味覚のメリハリはない。 |
素材の組合せ | 4 | 味のバリエーションと組み合わせが豊富。抹茶クリーム、黒蜜あんこ、ボトム部分のバスク生地が、それぞれモンブランペーストと絡めて食べると美味しい。抹茶クリーム、黒蜜あんこはモンブランに程よくアクセントを加えてくれる。バスク生地も濃厚な味(おそらく豆乳)が濃厚なモンブランとマッチする。 |
個別要素の味 | 4.5 | 素材それぞれをこだわって作っているので、個別の具材を単品で食べても十分美味しい。 |
飲み物との相性 | 4 | 濃い味なので、コーヒーとの相性が良いと思われる。SATSUKIのコーヒーはさっぱり目。 |
後味の強さ | 5 | ずっと後引く味。モンブランペーストの粘性が強力なため、口の中にずっと味が残ります。 |
口当たり | 4 | ネトっとします。濃厚な味を重視して作られているので口当たりはそれほど意識して作られていないかも。 |
風味の強さ | 4.5 | 栗だけでなく、全体的に風味強い。黒蜜や抹茶、ボトムの生地もクリームの風味がはっきりと感じることができます。 |
見た目の印象 | 5 | 圧倒されるほどのボリューム。テーブルに置かれたときに衝撃を受ける。 |
店舗・従業員の雰囲気 | 4.5 | 店内は落ち着いたシックな印象。SATSUKI店内で食べる場合は、サービス料が発生しているだけあって、従業員の方の対応も親切・丁寧。 |
ボリューム | 5 | ボリュームは普通のモンブランの3~5倍ぐらいの大きさ。男性なら一人で食べきることもできるが、女性の場合は一食分に相当すると思われる。2人で1つでも十分楽しめるサイズ。 |
お値打ち感 | 3 | 3,500円だが、これだけインパクトが有り、ボリュームもあり、濃厚な味を楽しめるモンブランなら値段だけの価値は十分にあり。 |
哲学・店のこだわり | 4 | グランパティシエが監修したモンブランだけあって、素材へのこだわりが強く感じるモンブラン。 |